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柿茶づくりのはじまり
柿茶づくりのはじまりは、いまから70年前に遡ります。時代は戦後まもなくの1948年、外地から引き揚げてきた創業者井上信夫(初代社長)の実弟が、病気予防のために実践していた健康法の創始者西勝造先生の秘書として勤めることになったのがきっかけです。
1949年、講演旅行で坂出を訪れた西勝造先生から、井上信夫は柿の葉茶の製造を強くすすめられます。当時、西先生は戦後の貧しい食生活を少しでも補うために、ビタミンCを多く含むといわれていた柿の葉からお茶をつくることを考案。「お茶なら手軽く、いつでもどこででも飲める。自然の形でビタミンやミネラルが摂れる。」と、柿の葉茶づくりを井上信夫に熱心にすすめました。
井上信夫は西先生の熱意に押され柿の葉茶づくりに取り組むことになったものの、茶葉づくりは素人でした。それになによりも原料の柿の葉の確保が問題でした。
一方で、収穫した柿の葉をお茶に加工する技術の研究開発もありました。井上家の家計はひっ迫し、田畑を切り売りしながらの生活が続きましたが、1951年、井上信夫は柿の葉茶(刻み茶)、商標名あすこるびん素『柿茶』の製造販売を開始することになりました。そして同年、「生化学研究所」が誕生。命名は西勝造先生です。
それから22年後の1973年、商品名『柿茶』が商標登録され、当社の主力商品として今に至っています。
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柿の葉の収穫
真夏の太陽の光をいっぱい浴びた柿の葉は、ビタミンCをたっぷり含んでいます。 実に栄養が取られぬように、実がなる前の、葉にもっとも多く栄養価が含まれる夏の盛りに収穫は始まります。収穫は炎天下、カンカン照りの中で行われるので、汗だくになりそれはそれは大変です。 朝一番に刈り取った枝から、柿の葉を一枚一枚痛みがないか確認しながら手摘みします。収穫した葉っぱを午後には香川県坂出市にある工場に運び、その場で乾燥室へ入れ、製茶していきます。
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新しい農地
弊社では2015年より香川県坂出市府中町で、かつて柿の果樹園だった耕作放棄地約3,300平方メートルを借り受け、整備、農薬検査を行い、農薬や化学肥料を一切使わない自然栽培に取り組んできました。
借り受けから3年目の2017年の夏からは新しい農地での収穫が始まっています。
耕作放棄地の活用は収穫量の増加だけではなく、地域の雇用増加や過疎が進む県内の里山の再生にもつながると考えています。
オーガニック認証(有機JASマーク)の取得
2018年12月7日、弊社の柿畑は有機農産物のオーガニック認証(有機JASマーク)を取得しました。 オーガニック認証とは、土壌から完成品(工場から消費者の手に渡るまで)の製造工程において「環境や生物への負荷を最小に抑えた製造方法、有機栽培(オーガニック)で作られた植物を使った製品であることを証明するための認証です。
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美味しくて身体によい柿茶を目指して
柿茶本舗は創業から70年、柿の葉の自然栽培にこだわり柿茶ひと筋で今日まで歩んで参りました。70年の間に地球温暖化などの影響で柿の葉を取り巻く環境も少しずつ変化し、温暖化による収穫量の減少や農家さんの高齢化など様々な問題が起きています。
その変化に対応すべく2015年より柿果樹園の耕作放棄地を借り受け、自分たち自身で柿の葉の栽培から収穫までをするようになりました。その中で収穫の大変さや栽培の苦労など、自分たち自身が体験してみて感じることの多さに農家さんへの感謝の気持ちがあふれてきます。
まだまだ柿茶には「美味しさの理由の解明」、「効果効能の研究」、「柿茶専用の柿の品種改良」など様々な課題があります。そのために地域の大学や研究機関との連携をさらに深めていきたいと思います。
これからも美味しくて身体によい柿茶を香川から全国に広めていけるように社員一丸となり進んで参ります。