▼【NPO法人健康を考えるつどいブログ】

女性の肌のトラブルは体の危険信号

2018年4月度 豊岡健康情報   2018-4-15  豊岡倫郎 氏

1.美肌を求めて幾年月

美肌は女性の永遠の願い。これまで何十年もそれこそ何十種類もの化粧品をあれこれ試してきたがいまだ満足できないのではなかろうか。

「肌は内臓の鏡」という言葉がある。体内の臓器や器官に不調があると、肌にもその影響が出てくるから、いちど日頃の生活習慣を見直すことも必要ではなかろうか。

2.顔のシミでわかる体の不調

下の図では顔にでるシミと体内の不調との関係を示した一例である。

1.額のはえぎわのシミ・・冷え症で婦人科系弱い、宿便たまりやすい

2.額のシミ・・性腺ホルモン、副腎ホルモンの分泌異常

3.こめかみのシミ・・自律神経の乱れ、肝臓が弱い、甲状腺機能低下、更年期障害

4.瞼の上のシミ・・月経不順

5.側頭部よりほほ骨にかけてのシミ・・肝臓、胆嚢の障害

6.鼻の上のシミ・・腸が弱い、宿便がある

7.瞼の下のシミ・・貧血、肝機能低下、女性ホルモンバランス崩れ

8.ほほ骨のシミ・・肝臓が弱い、腰痛あり、痔が悪い、便秘症

9.鼻の天辺のシミ・・便秘、大腸が悪い、宿便が溜まっている

10.鼻の下や唇の下のシミ・・冷え症、宿便の停滞、女性ホルモンのバランス崩れ

★顔全体のシミ・・性ホルモン分泌不足、副腎機能低下

3.シミには原因がいろいろある

1)便秘、宿便によるシミ・・・

便秘になるとそこで発生した毒素が腸壁から吸収されて、血液は汚れ、体中を駆け巡り、シミ、小じわ、肌荒れの原因となる。

2)貧血、冷え症によるシミ・・・

女性に多いこれらの症状は、血液が不足したり、血流が悪いため、皮膚の細胞への酸素や養分の 供給が充分でなく、代謝分解物の運搬排除も 低下しているために、シミができる。

3)老化によるシミ・・・

若い時は皮膚細胞や色素細胞の新陳代謝が活発であるが、加齢と共に新陳代謝は衰え、メラニン色素が沈着しやすくなる。女性の場合は閉経期を過ぎると、女性ホルモンの分泌も減り、皮膚も荒れてくる。また加齢と共に脳下垂体 から出るホルモンも減って、保水能力も減ってきて、カサカサ肌になる。

4)肝機能低下によるシミ・・・

肝臓は体内に入ってくるあらゆる物を分解解毒し、再配分している。肝臓の機能が低下すると、皮膚に色素が沈着し易くなるし、慢性病でいつも薬を飲んでいたり、化粧品をいつも厚く塗っていると、ますます肝機能が低下する。尋常性肝斑と言われるシミは肝臓機能低下によりできる。

5)腎臓機能低下によるシミ・・・

腎臓も解毒代謝の役割をしていて、機能が低下すると、血液中に老廃物が増えて、解毒能力低下して、シミを作る。腎臓が弱ると肝臓の負担も増えて、悪循環する。

6)ストレスによるシミ・・・

ストレスを受けると、副腎皮質ホルモンが刺激されて、メラニン色素を増加させる。またストレスは活性酸素を増やすから体に良くない。

7)紫外線からの刺激によるシミ・・・

強い紫外線を長時間浴びると、皮膚に良くないことは誰でも知っている。最近は皮膚がんの原因とも言われている。紫外線による皮膚の炎症の後はシミになる。そもそも紫外線が活性酸素を発生させているが、体内でも活性酸素を発生させることもあるから、留意が必要である。

8)偏食やタバコによるシミ・・・

肉食ばかりしている人は、肌は汚くなるし、シミも増える。肉や甘いものは、腸内環境を悪化させて、血液は濁るし、肌に良い筈がない。欧米人のご婦人の肌が汚いのはこのためである。タバコが肌に良くないことは説明するまでもない。食べ物が悪くて、腸に炎症が起きると、腸壁がただれて、分子の大きい栄養物が血中に吸収されて、皮膚に出てくる。また摂取する栄養素のバランスが悪いと、皮膚形成も正常性を欠き、肌が荒れる。

9)薬、化粧品、食品添加物、農薬、空気中の化学物質など・・・

これらの化学物質は全て体にとっては、自然界には本来ありえない異物である。体は本能的に排除しようとするし、副作用が起きる。体内に残量して、臓器や器官の不調をもたらす。肌を綺麗にするために塗っている化粧品がシミの原因になることも多いという。

10)心臓病によるシミ・・・

顔は心臓の状態を反映している。心臓に脂肪が蓄積されると、顔にシミや斑点ができる。

4.外にもある重大な肌荒れの原因

1)AGE(終末糖化産物)による肌荒れ・・・

老け顔の人は早死にするという。この老け顔の原因と言われるものにAGEが関係している。AGEとは血中の糖分が細胞のタンパク質と暖かい体温に熱しられて、結合してできるもの。もう一つは加工食品の製造過程で糖分とタンパク質が加工中に熱しられてできるケースのものもあり、それを食べると体内に入ってくる。

これらが体内に蓄積されてゆくと、肌のシミや荒れの原因となる。これらは生活習慣病にも影響を及ぼすから怖い。

2)ゴースト血管による肌荒れ・・・

昨年から急に話題となっているのがゴースト血管の問題である。ゴースト血管とは動脈から静脈への血流の転換部分の毛細血管の先端がゴースト化、即ち消滅していて、各細胞への本来の養分や酸素の供給そして老廃物の回収という、新陳代謝機能が低下してしまうのである。当然肌の新陳代謝も低下してゆくから、肌荒れ、くすみ、シミなどが顔に出てくる。異常な赤ら顔やら粉が吹いて出ることもある。

3)各臓器の病変によるもの・・・

腎臓の機能低下で下まぶたのふくらみ、白髪、顔の黒ずみ。胃腸障害で青白い顔に。肝機能低下・・・黄色っぽい顔に。心臓の機能低下・・・赤っぽい顔に。ひどくなると白い顔に。便秘症のときは顔の肌の毛穴がくすむ。

5.なすべき美肌対策とは

1)便秘しない。宿便を排出して、腸内環境を良くする。それには少食にすることが必須となる。

生野菜ジュース、水分補給なども宿便排除に効果があるが、早く効果を出したいときは西式健康法では穏やかな緩下剤の水酸化マグネシュウムを使う。

2)きれいな生水と柿茶を合計一日に1.5リットル前後飲む。いっぺんに大量に飲むのではなく、ちびりちびりと飲む。柿茶には豊富にビタミンCが含まれていて、免疫力、抗ストレス作用、抗酸化作用もあるが、メラニン色素の発生を抑制して、肌を白くしてくれる効果がある。水分をコーヒーや緑茶、ジュースでは摂らない。コーヒー、お茶や酒には脱水作用がある。西洋には「コップ一杯の清水は一トンの化粧品にも優る」という諺がある。

3)長時間直射日光を浴びない。紫外線を浴びると活性酸素を発生させて、肌を痛める。

4)睡眠不足にならない。早寝早起きの規則正しい生活をする。睡眠不足や過労は肌の敵。ホルモンは夜寝ている時に作られる。

5)ビタミンC、ビタミンB1、B2、B6、Eが肌の代謝や血流を良くし、肌を綺麗にする。ミネラル分では硫黄が肌に良い効果がある。

6)毛細血管の消滅や硬化は甘いもの、アルコール、運動不足が原因である。毛細血管の再生には西式健康法にある毛管運動、裸療法が効果抜群である、誰でもすぐ実行できる。

7) 食生活を見直す。少食にする。出来れば三分づき玄米食にする。ニンジン、キャベツ、小松菜、ホーレンソウ、パセリ、リンゴなど五種類位入れた生野菜ジューを摂る。副食は海藻、大豆製品、カボチャ、青魚、白身の魚や小魚、黒ゴマなどを摂る。肉食や甘いものは腸内環境を悪くするから避ける。今の若い人は肉やフライや炒め物で脂肪分を摂りすぎているが、肌には良くない。欧米の女性の肌が汚いのは肉と甘いものの摂り過ぎが原因である。

8)健康体操をして、体全体の活性化を維持する。おすすめは自彊術体操が適当である。理由は筋力強化、有酸素運動、血液循環、骨格矯正、体液の弱アルカリ性、交感神経の均等化、体全体の柔軟化、経絡刺激などの面から、無理なく誰でも簡単に家で実行できる。

9)ストレスを溜めない。マイナス思考を持たず、前向きに、好奇心を持って生きれば、いつまでも若々しい気持ちが保てるし、ストレスもたまらない。精神の老化が身も心も老けさせる。

10)肥満の人は痩せる。肥満の人は心臓に脂肪がついている。それが活性酸素によって、過酸化脂質に変わって、シミをつくる。

11)体にとって異物であるあらゆる化学物質の入った添加物の入った加工食品などを摂らない。

12)解毒やホルモンに関連する肝臓や腎臓、副腎、脳下垂体などの機能正常化のためには、上述した様な対策はどれひとつ欠かせない。肝臓や腎臓の強い人は肌にハリがある。

6.まとめ

1)驚異的な美肌療法を望むならば、断食療法をすることである。簡単な朝食抜きの二食にしたり、毎週一回土曜日だけ断食すれば、その美肌効果は大きい。しかしその時は適切な指導者の下で行う方が良い。そして食する品目の質も吟味しないといけない。

2)「内皮は外皮に通じる」という言葉がある。口から食道、胃、小腸、大腸、肛門までは一本のパイプで繋がっている。特に小腸や大腸に宿便があったり、腸内が炎症を起こしていたり、腸内環境が悪ければ、その腐敗物から出るインドール、スカトール、アミンなどの毒素が体内に吸収されて、血液を汚濁させる。皮膚の細胞は約27日で入れ替わるが、その新陳代謝の元である血液が汚れていると、美肌は望めない。腸の汚れは外皮に反映しているのである。腸のきれいな人に、顔にシミのある人はいない。

3)加齢と共に老人斑と言って、過酸化脂質の分解物とタンパク質分子が結合してリポフスチンという色素を作り、皮膚に沈着する。それを加速させるのは活性酸素である。皮膚のメラニン色素を増やす働きをしているのも活性酸素であるから、活性酸素を増やさない努力と抗酸化物を摂取して、それを減らす努力も必要である。

4)コラーゲンがつるつるの肌の基を形成しているから、コラーゲンの含まれている物を食べれば良いと信じているのは、間違いである。口から入ったコラーゲンは,一旦消化器官で細かくアミノ酸に分解されてしまう。それが再びコラーゲンとして再生される保証はない。どんな食べ物でも、薬でも、酒でも、口から入ったものは必ず肝臓で分解することに体のシステムが出来上がっている。コラーゲンを体内で造成させるには蛋白質を基にして、ビタミンCと酵素が必要であるから、ビタミンCの摂取が欠かせない。

5)西式甲田療法で今まで多くの患者さんが体験してきた美肌療法がある。それは発芽玄米の生の粉末を煮たりせずにそのまま食するのである。これをご飯代わりに食べると、一週間もすれば肌が見違えるようにすべすべになる。水に溶いて、ハチミツを少し入れて食べやすいようにする。生の発芽玄米の澱粉はβ(ベーター)澱粉なので、胃でブドウ糖に消化されずに大腸へ行き、短鎖脂肪酸になって、吸収され、エネルギーとなる。この時大腸で酢酸、プロピオ酸、酪酸が出来て、腸壁を修復して綺麗にするし、便通も快腸となる。

発芽玄米にはギャバ(GABA)というγ(ガンマ)アミノ酪酸が多く含まれていて、脳の血流を良くする働きがある。玄米を粉にするには、製粉機、フードプロセッサー、コーヒーミルなどで作ることができる。詳しいことは「腸をキレイにする!」甲田光雄著 日経BP社参照。

6)「生きたものは生きたものに養われる」これが生物界の大原則のひとつである。生の水、生の野菜ジュース、生の玄米が体を生き生きさせるのである。これまで何度も紹介してきたが、八尾市で鍼灸師をしておられる森美智代さんはもう23年間も一日に青汁一杯で、元気に生活しておられる。正に少食の生き証人である。現代医学界がこの事実について、真摯に取り組んで、今の栄養学の矛盾点を解決する努力をしてもらいたいものである。そうすればガンも生活習慣病も難病も激減すること間違いない。

7)「顔にシミがある人は概して対人関係が下手である」長年患者に接してきた医者の言葉である。

毎食ごとに、まるで何かに取り憑かれたように、酒を飲み、ガツガツ肉やお菓子を食べる人がいる。

明日もまた三回も食べられるのに。

食とは命を戴いているのである。

感謝して体に必要なだけで済ます心構えを持ちたいものである。

飽食から逃れられない人には先ず心の宿便を取らないと、シミ取りの話は無縁かもしれない。

おわり

まずはおためし

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