柿茶本舗の三好です。今日は、柿の葉寿司についてのお話しです。
和歌山県と奈良県のお土産に「柿の葉寿司」というのがある。
石川県も名産地になっているらしい。もともとの起こりは、江戸時代
和歌山藩の財政を補うため、漁師に多大の税を課したのがきっかけらしい。
重税を課せられた和歌山の漁師たちは、獲れた魚である鯖や鮭を一口大のすし飯の上にのせ、それを柿の葉で包んで奈良へ行って売り歩いたということだ。その時ちょうど奈良地方ではお祭りの季節で、大変喜ばれたらしい。
それがきっかけで、和歌山のみならず奈良にも「柿の葉寿司」が広まったものと考えられる。以前にも何度かいただいたことがあるが、酢がよく利いていてなかなかおいしい。
今のように化学が発達して、植物の成分の分析が容易にできる時代と違って、何を利用すれば食物を腐らせないですむか、まったく分からなかったではないか。試行錯誤の末、柿の葉で包むことにたどり着いたのだろう。
柿の葉にはビタミンCが多く含まれており、さらにポリフェノールの一種である「タンニン」が含まれている。
これらの成分に食物を腐らせない作用があるのだろう。成分など何もわからない江戸時代にあって、柿の葉寿司を何日も持たせる知恵を生み出したことにおそれいる。日にちを持たせるだけでない、新鮮な柿の葉でつつまれた寿司には、好ましい植物の風味が感じられる。
柿の葉にはきっと人体にとって良い作用があると思われる。