がわ産業支援財団 地域共同研究部が香川県産農産物の未使用
部位に含まれる機能性物質の探索を、HPLC(UV),GC-MS分析
により行った研究成果です。
1、農産物の対象物としては、柿(葉),オリーブ(葉)など
下記7種類です。
2、現在お茶として商品化されているクワ葉,ビワ葉,柿葉を
比較してみると、柿葉にはクワ葉やビワ葉にはない機能性
成分・ケルセチン、ケンフェロールが含まれる事が、
判明しました。
3、機能性成分のケルセチン、ケンフェロールとは何か。
■ ケルセチン
(1)ケルセチンには、血液をサラサラにし、血管壁や毛細
血管を強くすることから、高脂血症、高血圧や
動脈硬化そしてボケ防止・記憶障害の改善に効果が
あるとされています。
(2)ケルセチンには、ビタミンCの吸収を助ける作用が
あり、自らも抗酸化作用があることから、有害な
活性酸素の除去に効果を発揮します。強力な抗酸
化力で悪玉コレステロールの酸化を防ぐことから
動脈硬化、心筋梗塞等の予防にも効果があると
されています。
(3)ケルセチンには、肝臓に含まれている脂肪の燃焼・排出
を促進する作用や消化管で脂肪と結合し脂肪の吸収を
抑制する作用など脂肪の吸収を抑制する効果がある
ことから、ダイエットにも効果があるとされて います。
(4)ケルセチンには、腸内環境の改善や、皮膚バリアの強化
作用があり、非常に高いヒスタミン抑制作用がある
ことから、花粉症やアトピー性皮膚炎などの
アレルギー体質の改善に効果があるとされています。
※ただし、そのためには、半年~2年ほどのサプリ
メントの摂取が必要とされています。
(5)ケルセチンには、抗発がん作用があることも明らか
にされており、野菜などからケルセチンを摂取する
事で抗発がん作用の寄与が大きいと考えられて
います。
さらにアメリカでは、アレルギー体質の改善の最終
段階の時にケルセチンを摂取する事が多いようです。
■ ケンフェロール
(1)ケンフェロールは細胞内の“脂肪燃焼工場”をどんどん
活性化するメタボ予防・免疫力アップ成分です。
(2)ケンフェロールは余分な脂肪を燃やし、免疫力もアップ
が期待できる成分です。 ケンフェロールはポリフェ
ノールの一種で、抗酸化作用があるのはもちろん
のこと、ポリフェノールのなかでもとくにミトコンド
リアの機能 を高める働きが強いことがわかっています。
ミトコンドリアは体内でエネルギーの産生に関わって
いるため、ケンフェロールによってミトコンドリアが
活性化すると、脂肪の燃焼が高まり、肥満を予防・改善
できます。さらに、ミトコンドリアは各臓器と密接な
関係にあるため、その活性化によって臓器の機能が
高まると、免疫力がアップして、かぜやインフルエンザ
などウイルス性の病気を予防することができる。
(3)ケンフェロールの効果・効能は上記より以下のことに
効果を発揮すると考えられている。
●メタボ予防
●免疫力アップ
●動脈硬化予防
●かぜ予防
4、ルテインの定量結果
ルテインとはカロテノイドの一つで、抗酸化性があり、加齢
黄斑変性(網膜の黄斑細胞の病気)に聞くと言われている。
上表のごとくブロッコリーに一番多く含まれ、柿葉は5番目
に多い。
5、フィトール、オレアミド、スクアレンの定量結果
フィトールは化粧品などに保湿剤として用いられる成分。
オレアミドは気分障害や睡眠障害、抑うつの治療候補薬と
して研究されている。
スクアレンは潤滑性に優れ、保湿剤・軟膏・座薬の成分と
して用いられる。
柿葉にはスクアレンが多く、石鹸として保湿効果が大きい
と思われる。
6、素材ごとのまとめ(クワ葉、ビワ葉、柿葉)