春は暖かく過ごしやすい季節である一方、寒暖差や環境の変化によって体調を崩しやすい時期でもあります。なんとなく体がだるい、疲れやすい、気持ちが沈む…。そんな不調は、もしかすると「春バテ」かもしれません。今回は、そんな春の不調をやさしく整える、腸活とデトックスの習慣についてご紹介します。
1.春にダルさや不調を感じやすい理由は?
春は寒暖差や新生活によるストレスが重なり、自律神経が乱れやすくなる季節です。この自律神経の乱れは、心身のバランスを崩し、だるさや眠気、疲労感、気分の落ち込みなどさまざまな不調を引き起こします。実際に、約6割の方が春先に心身の不調を感じているともいわれています。
こうした“春バテ”をやわらげるには、腸の働きを整える「腸活」と、体に溜まった老廃物を排出する「デトックス」の両面からのアプローチが効果的です。腸を整えることで、免疫力や自律神経の安定にもつながり、春の不調を根本からケアすることができます。
2.春の腸活&デトックスのコツ
春は気圧や気温の変化が激しく、自律神経が乱れやすい季節。その影響で腸の動きが鈍くなり、老廃物が体内に滞りがちになります。さらに、冬の間の運動不足や食生活の乱れも重なることで、便秘などの不調を引き起こしやすくなります。
この時期こそ、腸内環境を整えて体内の巡りを良くする生活習慣を意識することが大切です。とくに、肝臓の働きと腸の動きをセットで整えることで、より効率よく体内のデトックスが促されます。
有酸素運動やストレッチを行う
適度な運動は、腸のぜん動運動を促し腸内環境の改善に役立ちます。特に、有酸素運動やストレッチなどはストレスの軽減にもつながるため、春の不調対策にはぴったりです。ハードなトレーニングでなくても構いません。散歩や軽い体操など、毎日の生活に無理なく取り入れてみましょう。
春野菜を積極的に取り入れる
春野菜特有の苦味や香りには、冬に蓄積した老廃物を排出しやすくする働きや、代謝を助ける働きがあります。菜の花にはビタミンCやA、カルシウムや鉄分などが含まれ、「山菜の王様」といわれるタラの芽はビタミンB群やE、Kなどが豊富です。ほかにも、ふきのとうもミネラルが多く含まれ、体を内側から整えてくれます。春ならではの旬の恵みを、毎日の食事に取り入れてみましょう。
胃を休ませる時間を意識的につくる
胃が空っぽの状態になると、腸の残留物や細菌を押し流し、腸の中をキレイにしてくれる動きが起こります。そのため、腸を整えるためには胃腸を休ませる時間を意識的に設けることが大切です。特に年齢を重ねると消化機能も低下するため、夕食は寝る4時間前までに済ませ、胃腸への負担を減らしましょう。
こまめに水分補給して老廃物の排出をサポート
水分補給は代謝をスムーズにし、体内の巡りを促進する働きがあります。水分が不足すると血液が濃くなり、老廃物の運搬や排出がスムーズに行われなくなります。また、起床後や空腹時に水を飲むことで腸が刺激されるため、自然な便意を促す効果も期待できます。春は汗ばむことも増えてくるため、季節に合わせてこまめに水分を補給しましょう。
寝る前は暖色系の照明に切り替えて質の良い睡眠をとる
睡眠中は、体内の修復や老廃物の排出が活発に行われる時間です。質の良い睡眠は腸内環境の改善にもつながり、デトックスを後押ししてくれます。寝る2〜3時間前からは、スマホやPCの使用を控え、消化の負担を減らすために食事も早めに済ませましょう。寝室の環境を整え、照明はやや暖かみのある光にすると、よりリラックスして眠りにつけます。
3.まとめ
春の不調を感じたら、腸活とデトックスを意識した生活習慣を少しずつ取り入れてみましょう。朝の光を浴びる、旬の野菜を食べる、水分をこまめにとる―小さな習慣の積み重ねが春バテを防ぎ、心と体を軽やかに保つ秘訣になります。
参考:一般財団法人茨城県メディカルセンター