カフェイン断ちのすすめ カフェインの影響と上手なやめ方
現代社会では、コーヒーやエナジードリンク、紅茶、緑茶など、さまざまな飲料を通じてカフェインを摂取する機会が多くあります。適度なカフェイン摂取は集中力を高める効果がありますが、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、カフェインの作用と影響、カフェイン断ちの効果や注意点について詳しく解説します。
1.カフェインの作用と影響
カフェインは「アデノシン」という神経伝達物質の働きを阻害し、神経を興奮状態にすることで眠気を抑えます。これにより、脳がクリアになり覚醒作用が得られるため、コーヒーやエナジードリンクを習慣的に飲む人も少なくありません。
しかし、カフェインの作用にはデメリットもあります。カフェインは鉄分・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルの吸収を阻害し、排泄を促します。その結果、貧血や骨の健康状態の悪化につながる可能性があります。
また、精神的な影響も大きく、不安やイライラを感じることが増える場合があります。一部の研究では、日本人の4人に1人がカフェインを摂取すると不安感に陥りやすい遺伝子を持つことが明らかになっています。
さらに、カフェインは摂取を続けることで耐性がつき、少量では効果を感じにくくなります。これが「カフェイン依存」につながる要因の一つです。
2.カフェイン中毒とは?
1日に1〜2杯程度のコーヒーであれば、リラックス効果や集中力の向上が期待できます。しかし、1日3杯以上を超えると、カフェインの過剰摂取による不快な症状が現れることがあります。
カフェインを過剰に摂取すると、頭がズキズキと痛くなったり、動悸を感じたりすることがあります。吐き気を覚える人もおり、場合によってはめまいがすることもあります。また、精神面でも影響が出やすく、不安感が強まり、落ち着かない気持ちになることがあります。さらに、カフェインをとることで、かえって集中力が低下することもあります。
3.カフェイン断ちの効果
「カフェイン断ち」とは、名前の通りカフェインの摂取をやめることです。カフェインを控えることで、以下のようなメリットが期待できます。
1. 睡眠の質改善
カフェインには興奮作用があるため、摂りすぎると寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることがあります。カフェインを控えることで、深い睡眠を得られるようになり、翌朝の目覚めがスッキリすることが期待されます。
2. 貧血の予防
カフェインには鉄分の吸収を妨げる作用があるため、慢性的な貧血につながることがあります。特に女性は鉄分が不足しがちなので、カフェイン断ちをすることで貧血の予防や改善につながる可能性があります。
3. 自律神経のバランスを整える
カフェインは自律神経に影響を与え、過剰摂取すると心拍数や血圧が上昇しやすくなります。カフェインを控えることで、自律神経のバランスが整いやすくなり、心身の安定を保ちやすくなります。
4. 胃の調子を整える
カフェインには胃酸の分泌を活性化させる作用があり、過剰に摂取すると胃痛や胃もたれの原因になることがあります。カフェイン断ちをすることで、胃の不調が改善する可能性があります。
5. 冷え性の改善
カフェインには体を冷やす作用があるため、冷え性の原因になることがあります。カフェインを控えることで、血流が改善し、手足の冷えの緩和が期待できます。
4.カフェイン断ちの注意点
カフェインを急にやめると、「カフェインの離脱症状」と呼ばれる頭痛や眠気、だるさ、イライラなどの不快な症状が現れることがあります。
離脱症状は、カフェインを最後に摂取してから12〜24時間後に現れ、1〜2日後にピークを迎えます。その後、通常2〜9日間続きますが、頭痛が21日間まで続く可能性もあります。
カフェイン断ちを成功させるためには、急にやめるのではなく、少しずつ摂取量を減らしていくと良いでしょう。例えば、1日3杯飲んでいたコーヒーを2杯、1杯と減らしていくのがおすすめです。約1ヶ月カフェイン断ちをすることで、依存性がなくなり、離脱症状も出にくくなると考えられています。
5.まとめ
カフェインは行動に影響を与えるものでありながら、そのリスクがあまり認識されていない成分です。
カフェインを減らすことで、睡眠の質の向上や貧血予防、自律神経の安定など、多くのメリットが得られる可能性があるので、一度カフェインを控えてみることで、体調の変化を感じるかもしれません。
まずは、コーヒーや紅茶の量を1杯だけ減らしてみたり、お気に入りのカフェインレスの飲み物を探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考
洛和会ヘルスケアシステム「その痛み、本当に偏頭痛?」
厚生労働省「カフェイン・アルコールの影響について」