「体が冷える」「布団の中でも手足が冷たくて眠れない」など、冷えによる不調を感じる人は多いかもしれません。
熱は、血液によって全身に運ばれますが、血流が悪くなると体のすみずみまで熱が運ばれず、冷えの原因となるようです。冷えを放置すると、免疫力の低下により風邪などにかかりやすくなるほか、冷えによるだるさや不眠、肩こりなどの不調にも繋がります。
寒さが厳しくなる秋冬を健康に過ごせるように、この記事は、冷えの原因と冷え対策の食事や生活習慣についてご紹介します。
1.冷えの原因
一般的には、血の巡りや筋肉量の低下などが冷えの原因として考えられます。
①ストレスによる自律神経の低下
ストレスや不規則な生活等で自律神経の働きが下がると、体温調節がうまくできなくなります。
②血流や血のめぐりの低下
窮屈な下着や靴で体を締め付けると血流が悪くなり、皮膚にある寒さを感じる神経の働きが下がることがあります。ほかにも、貧血や低血圧によって血のめぐりが滞ると、温かい血液がすみずみまで届かなくなります。
③筋肉量の低下
体の中で熱を生み出すためには筋肉が必要です。運動不足の人や、男性より筋肉が少ない女性は、冷えに繋がりやすいといえます。
2.体を温める生活習慣
■ 体を温める食事と冷やす食事
・タンパク質…熱を生み出す筋肉の構成要素に。肉、魚、卵、大豆製品など
・鉄分…体のすみずみに酸素を届けて細胞で熱産生をサポート。レバーや大豆製品など
・ビタミンE…血管を拡張させ、血行を良くする。ナッツやアボカドなど
ほかにも、甘酒や塩麴などは酵素が多いため、熱を作り出すサポートをしてくれます。
反対に、トマトやナス、きゅうりなどの夏野菜や、バナナ、パパイアなど温かい地域で育つ果物は体を冷やす食べ物です。ほかにも、揚げ物や甘いものの摂り過ぎで血液がドロドロになると毛細血管の流れが悪化し、冷えに繋がります。
■ 血のめぐりを良くするお風呂のポイント
血管は、冷やすと縮み、温かいと広がります。血管の収縮を繰り返すことで、血のめぐりが良くなります。血管の収縮反応を高めるためには、お風呂で冷たい水と温かいお湯に交互につかる「温冷浴」がおすすめです。
温冷浴の詳しい方法はこちらの記事で解説しています。
■ 冷え取りできる温かい服装のコツ
首・手首・足首の「3首」を冷やさないように、マフラーやレッグウォーマー、アームウォーマーなどを利用しましょう。下着や靴下は、体をしめつけるものを避けます。アクリルなど吸水性の低い素材の肌着や靴下は、汗が吸収されず汗冷えの恐れがあるので、蒸れにくいコットンやリネン、絹などの吸湿性の高い素材が適しています。
3.起床時と寝る前に温かい柿茶
温活のためには、温かい食事や飲み物から身体を温めることが大切です。
内蔵の温度が 1℃上がると基礎代謝が約10〜12%上がり、その結果血のめぐりが良くなります。そのため、仕事の合間や休憩時に温かい飲み物を飲むだけでも、からだの温めに効果的です。また、起床時と寝る前に温かい柿茶を飲むのもおすすめです。
起床時に温かい柿茶を飲むことで、じんわりと体が温まり、血行が良くなります。 また、眠っていた胃腸が刺激され、消化や吸収の準備を始める点もメリットです。
夜寝る前に温かい柿茶を飲むと、体が温まることで副交感神経が優位になり、リラックスできます。内臓が温まり血行が良くなるので冷えの改善になり寝つきにも効果的です。また、人は体温が下がるときに眠気を感じやすいため、ホットドリンクでからだを温めてからベッドに入ると、ゆっくりと体温が下がり、スムーズに就寝しやすくなるといわれています。
4.まとめ
冷えの原因には、ストレスや血流の低下、筋肉量の減少などが挙げられます。 これらを改善するためには、タンパク質や鉄分を含む食事やビタミンEが有効です。
また、温かい飲み物を摂る習慣も冷え対策に効果的です。 特に、起床時や就寝前に温かい飲み物を飲むことで血行が促進され、冷え改善や睡眠の質向上に期待できます。
体の外側と内側から、温活を行いましょう。
参考
全国健康保険協会 協会けんぽ「体を温める3つの習慣」
環境省デコ活 「WARM BIZ」