1.抗老防衰
抗老防衰という言葉が有る。秦の始皇帝は美女から口移しに美味な料理を食べていたが、不老長寿の妙薬を求めて、日本へ徐福を派遣したというが、願いもむなしく、50歳で亡くなった。死ぬ頃は白髪だらけであったという。人間だれでも生者必滅で、毎日が死に向かって行進しているようなものであるが、人には夫々の生活習慣があり、その違いから健康格差が生じている。その大きな要因が酸化と糖化である。
2酸化とは
体が酸化することを酸化ストレスと呼ぶ。これは活性酸素が過剰に発生して、体がサビついた状態のことを言う。我々は呼吸することによって、酸素を体内に摂り入れて、代謝過程において、エネルギーを作り出しているが、酸素の一部が分子構造の一個が欠けた不安定な状態になって、近くの物質と結合しょうとする酸化力の強い物質に変わる。それを活性酸素と呼んでいる。体内に入った酸素の内約2~3%が活性酸素になる。
活性酸素には、体内に入った有害物質やバイキンを殺菌したり、取り除くという重要な働きをしているが、過剰に発生しすぎると、酸化力が強いために、体に様々な有害な作用を及ぼし、病気の80%は間接的、直接的に活性酸素に起因していると云われている。
3.活性酸素が病気を導く構図とは
我々が食事から摂り入れた魚や肉などに含まれている脂質が体内の活性酸素によって、過酸化脂質に変わる。また体内に蓄積されているコレステロールや中性脂肪も過酸化脂質に変わる。この過酸化脂質は体内の臓器や細胞の中に浸透して行き、傷をつけたり、破壊したり、血管を脆くしたり、遺伝子を傷つけるなど全身にダメージを及ぼす。
活性酸素が関与する病気には、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、肝炎、腎炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、ガン、一般炎症、老化促進などいろいろある。
4.活性酸素の発生原因
何故活性酸素が必要量以上に過剰に発生するのだろうか。その原因となっていることを、列挙すると。紫外線を浴びる、喫煙、飲酒、大食、薬の服用、放射線を浴びる、激しい運動、電磁波を受ける、体内に炎症がある、腸内に異常発酵や宿便がある、食品添加物、農薬、殺虫剤の摂取、ストレス、睡眠不足などある。
5.活性酸素から身を守るには
体内には活性酸素を除去するSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という酵素が作られているが、40歳を過ぎる頃から生成量も減ってくる。上述したような活性酸素を発生させる生活態度を続けていると、SOD酵素と活性酸素との力関係のバランスが崩れて、活性酸素が優位になってしまう。
対策としては、SOD酵素以外にも、活性酸素に対抗する抗酸化物質を摂取することである。それを列挙すると。ビタミンA、C、E、緑黄食野菜、生野菜汁、ファイトケミカルと云われているフラボノイド、ポリフェノール、アントシアニン、ピコピンなどの含まれた食品がよい。食事では3分づき玄米、大豆製品、黒ゴマ、ニンジン、タマネギ、ブロッコリー、小魚、キノコ類、果物、海藻類、発酵食品の少食に徹することである。
もうひとつの対策は外部からSOD酵素を補給する方法がある。それは活性酸素の世界的な権威である丹羽靭負博士が開発したSOD様食品の摂取である。丹羽博士は高知県土佐清水市で土佐清水病院院長として、ガン、リュウマチ、アトピーなどの難病の治療に当たっている。これは薬ではなく、健康食品として誰でも入手できる。丹羽博士は多くの活性酸素に関する著書を書いているから、健康に関心のある人は一度は読まれると良い。
6.糖化とは
食事などから摂取した糖分は体内でタンパク質と結びついて、終末糖化産物(AGEエージーイー)という物質に変質してしまう。別名を糖化反応と云う。1912年にフランス人によって発見されて、発見者の名前を取って、「メイラード反応」と呼ばれている。その後研究が進み、体に様々な害をもたらすことが判ってきた。体内に過剰な糖分があると、血糖値が上がり、持続時間が長いほど、AGEの生成量も多くなって、蓄積されてゆく。
7.AGEの影響とは
体内のあらゆる器官や組織はタンパク質が主となって構成されているが、新陳代謝に必要な量以上の余分な糖分が血中に存在すると、至る所でタンパク質を変質させて、AGEが生成される。血管に沈着すれば動脈硬化に、皮膚に起きれば、皮膚の弾力性を失わせて、シワやシミを生む。
骨に入ればコラーゲン線維を損傷させる。またAGEが生成される過程で、活性酸素を発生させて、この活性酸素が糖化を促進させるというから、酸化と糖化はコインの表裏の関係になって、悪さをする。老けたくなければ甘いものを食べない事である。
もう一つ留意すべき問題は、このAGEはわれわれが日常摂取している加工食品の中に存在していることである。AGEを多く含む食品を列挙すると。バター、チーズ、マヨネーズ、高温の油で調理した、ステーキ、焼き肉、ハンバーガー、揚げ物類、鶏の唐揚げ、目玉焼き、焼き魚、トーストパン、ポテトチップスなどである。皮肉にもテレビでいつも放映中の料理ばかりではないか。
8.糖化を防止する食事法
基本は食事量を腹七分に抑える。主食は3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、黒ゴマ、緑黄色野菜、海藻類、キノコ類、発酵食品、果物などとする。避けるべき食品は、蛋白質の多い肉類、甘いお菓子と清涼飲料水、加工食品、スナック菓子は控える。
調理法は、焼く、炒める、揚げるから煮る、茹でる、蒸す方法に転換する。生で食べられるものは、糖化値が低く、生命力もあり、酵素も含まれているからお勧めである。
9.まとめ
1) 活性酸素がこれだけ病気発症に関与していても、医者から活性酸素がどうの
こうのと忠告を受けることは皆無である。糖化についてもまた然りである。
自分で気を付けるしかない。
2)活性酸素を発生させる五大要因は、飲酒、腸内異常発酵、ストレス、大食、
食品添加物・薬。
3) 70歳以上の人の80%は白内障になると云われている。その原因は活性酸素と
糖化による。
4)あなたは他人から実年齢よりも若く見られますか、それとも老けて見られ
ますか。その差は日頃の生活習慣による。これ位なら大丈夫
だろうという甘い考えが身から出たサビを生む。もうそろそろ酒を飲むのを
止めようか、毎日ケーキや大福もちを食べるのを止めようか。
医者から薬を貰っている方はこんな発想が湧かないものなのか。
おわり